ケーブルで音が変わる理由
ケーブルによる音の違いは、主に
- 導体の素材
- 絶縁体の素材
- ケーブル全体の構造(芯線構成)
によって起こっていると考えられています。音の傾向としては、銅の純度が高くなるとクリアーでスピード感のある音になります。
絶縁体の素材では、硬い材料を使うと硬い音になる傾向があります。
芯線構成では、細い芯線を沢山使うと高域の伸びを感じる音になります。
良い音質ケーブルの設計
このような特徴を利用してバランスの良い音質のケーブルを設計するわけです。
最近では「ハイブリッド」と言う種類の違う銅線を使って音質のバランスを取ったケーブルが主流ですね。
細い芯線をたくさん使うと高域が伸びる理由
導線に音声信号のような交流を流すと表皮効果という現象が発生します。
これは高い周波数の信号ほどケーブル芯線の表面を通る現象のことです。音に置き換えると高い音ほどケーブル芯線の表面を通るということになります。
例えば針金のような1本の銅線ケーブルを試聴すると高域がこもったように聞こえたりします。
高い音をもっと聞こえるようにするためには高い音の通る表面積を増やすために細い銅線を束にしてケーブルを構成します。
ケーブルが太くなる理由
スピーカーや電源ケーブルのように電力を伝える場合は、銅の使用量も性能に大きく関わってきます。
銅量が多いほど多くの電力を伝えることができるので、ケーブルが伝える電力に見合った銅量が必要になってくるので必然的に太くなるわけです。
また電圧や強度に対する性能は、ケーブルの被覆や絶縁に必要な部分の量が多いほど高くなりますのでこちらもケーブルの性能に見合った被覆や絶縁物の量が必要になって太くなるわけです。
電源ケーブルで音が変わる理由
掃除機を使った後、電源ケーブルを片づけるときに、ケーブルが暖かくなっている経験はありませんか?
これは掃除機のモーターが消費する電力が電源ケーブルを通って流れる途中でロスして熱になったためです。
例えばこの電源ケーブルをロスの少ないケーブルに交換したらどうなるのでしょうか?
おそらく電力ロスが少なくなり掃除機の吸引力が良くなる事でしょう。音響機器も同じようにロスの少ないケーブルを使うことで音質が良くなる方向に変わると考えられています。
デジタルケーブルで音が変わる理由
では符号化されたパスルのデジタル信号の場合はどうなんでしょうか?10年位前ではデジタル信号を伝送するケーブルで音が変わると言うことはナンセンスと思われていました。
デジタル信号の伝達は0と1を表すパルス信号をやり取りしているだけなのでケーブルによる音質の変化はありえないと思われていました。
しかし実際に比較試聴すると確かに音質の違いを聞き取ることができます。
デジタル信号の伝送中に読み取りできなかった信号は数学的手法を使って補正される規格になっています。
このエラー補正は日常茶飯に行われているのですが、高品質なケーブルを使うとこのエラー補正の頻度が少なくなり音質に良い影響を与えているというのが最近の考え方です。
17年くらい前のブロオーディの世界では、このようにケーブルにこだわり音質を追求することを「アマチュアイズム」といって否定する人もいましたが・・・今ではすっかり当たり前の事として認知されていますね。
余談ですが、ケーブルの音質変化で意外と影響力を持つのが、コネクター端子やコネクターとケーブルの接続方法だったりもします。