コンプの使い方概念
最近バタバタと忙しくしています。記事のテーマも思い浮かばないでいたらタイミング良くテーマのリクエストがありました。ありがとうございます。
自分の記事はあまり難しいことは書かないようにしてなるべく読み応えのあるように努力しています。
コンプの使い方と言うと関係者は一発で分かるのですが一般の人には意味不明ですよね。
コンプとはコンプレッサーの略で音の強弱を圧縮処理することを言います。
通常マイクで拾った音は小さい音から大きい音までの幅が広くそのままでは聞き取りにくい状態になっています。
ボリュームを小さい音に合わせると大きい音がうるさく感じ大きい音に合わせると小さい音が聞き取りにくくなってしまうのです。
この現象を緩和するために音の大小の幅を圧縮してあげるのですがこの処理のことをコンプを掛けるなどと言います。
概念としてはボリュームを小さい音の時に上げ大きな音の時に下げるイメージです。
コンプの使い方の概念はこの手動でボリュームを上げ下げするのに例えると理解しやすいと思います。
これを機材やソフト的に自動処理するのがコンプ処理といった感じです。
一般的なコンプの設定項目を手動に置き換えて説明してみます。
●Threshold
音量がどのくらいになったら動き始めるかの値です。一般的には0dBが電気的な最大値で-6dBといったように最大値からマイナスどれだけから動き始めるのかを表現しています。
●Ratio
圧縮比として「4:1」のように表現されているのが一般的です。Thresholdから動き始めて音量に比例した圧縮比といった感じでしょうか?手動ボリュームの動きに例えるとジワット絞って行くか一気に絞るのか・・・といった感じです。
●Attack Time
Thresholdからの反応時間です。音を聞いてからボリュームを絞りに入るまでの反応速度といった感じでしょうか?
●Release Time
音がThresholdより小さくなった時に下げたボリュームを元に戻す時間です。長めの時間にすると音が小さくなってからゆっくりボリュームを戻すといったイメージです。
人間がこのように手動でコントロールを行っている概念に置き換えると理解しやすいと思います。
TVで映画を見ている時に小声のセリフが聞き取りにくいのでボリュームを上げて爆発などの大きな音の時にボリュームを下げるイメージと言ったら分かってもらえるでしょうか?
使い方で難しいのはAttack TimeとRelease Timeの値だと思います。
おおざっぱに考えるとより自然な感じにしたければ長めの時間で積極的に動作させる場合は短めの時間という概念になると思います。
このような概念は手動の場合の動作に置き換えて考えてみるとイメージしやすいかも知れませんね。
不思議なもので経験豊かなエンジニアほど自然なイメージに仕上げるのが上手かったりします。
打楽器や持続音など音源の特性によっても自然に聞こえる方法論が違ったりします。
またこの動作を逆手にとって印象的な音作りという方法論もあります。
実は人間の耳にもコンプのような作用がありますのであまり大きな音でモニターするよりは少し小さめのモニター音量の方が変化が分かりやすかったりします。
コンプの使い方のキモはモニター音量にあると言っても過言ではないかも知れませんね。
一般の人には縁遠い話題になってしまいました。
ごめんなさい。
次回の記事はバイク系の予定ですが何も思い付かないので行き当たりばったりでお送りします。お楽しみに♪