タイヤの性能とタイム比について
今回はテーマをリクエストいただきました。「二輪ジムカーナ競技におけるタイヤの性能とタイム比について」を考えてみたいと思います。
二輪ジムカーナ競技に取り組み始めるとシード選手がプロダクションレース仕様のタイヤを使っていることやタイヤ性能に関する話題も活発に情報交換されていることからその効果が気になることと思います。
タイヤは地面と接地している部分ですからその影響力は想像しただけでもそれなりに大きいような気もします。
ではいったいどのくらいの影響力があるのでしょうか?
タイヤの性能とタイム比を理解するのは同じタイヤで雨の日と晴れの日のタイム比を調べると良いと思います。
自分の場合は雨の日は晴れの日に比べておよそ7%遅くなる傾向があります。
これは晴れの日に100秒のコースで雨の日に107秒になるということです。
同じタイヤで路面がウエットとドライの差が7%ということは同じ路面でタイヤ性能に同じ差があれば同じような結果になると考えられますよね。
現実的にはここまでタイヤ性能に差があることは考えにくいと思います。
では現実的にはとれくらいのタイム比になるのでしょうか?
自分の今までの記録からは0%~5%の結果になっています。タイヤ性能を上げてもタイム比が上がらないこともありました。
これはその時の走行状態がタイヤ性能を使い切っていない場合にはタイヤ性能を上げてもタイム比を上げることにはつながらないと考えられます。
次にその時のタイヤ性能をほぼ使い切った走行状態の時からタイヤ性能を上げると2%くらいタイム比が上がることがあります。これは嬉しいですね。
逆にタイヤ性能を下げると5%くらいタイム比が落ちる場合があります。タイヤ性能が変わった事による感覚の違いに体が慣れてくるとタイム比は詰まる傾向にあります。
タイヤの性能でタイム比に影響する要因はグリップ性能とハンドリング性能の2つが考えられます。
この2つは相反する特性を示します。グリップ性能を重視するとタイヤの接地面積を増やしたり柔らかいコンパウンドのためハンドリングが悪く感じます。
ハンドリング性能が良いのは細めのタイヤになるのですがグリップ感が不足する傾向があります。
また一般論ですがタイヤ性能とタイム比は車重に比例すると言われています。軽いバイクよりも重いバイクの方がタイヤ性能とタイム比の影響が大きいということです。
これに関しては自分の記録が無いのでなんとも言えません。自分はNSR250という比較的軽量なバイクで約5年間の練習記録から考察しています。
次にスポーツタイヤで認定大会のタイム比の目安ですが努力次第で105%くらいまで行けるのではないでしょうか?ビックバイクでハンデを考えても107%くらいは行けるのではないかと思います。
自分も今のように魅力あるプロダクションレース仕様のタイヤが無い時代はスポーツタイヤを使っていました。ほんの数年前のことです。
現在はプロダクションレース仕様のタイヤを使っていますがランニングコストのことでスポーツタイヤを考えたこともあります。
自分の場合スポーツタイヤとプロダクションレース仕様のタイヤの最大の違いは日常練習での転倒リスクの差になります。
プロダクションレース仕様のタイヤの方が圧倒的に転倒リスクが少ないのです。やはりあまり転びたくはないですからね・・・。
スポーツタイヤで練習を続けていてある日まったく納得の行かない転び方をする機会が増えてきました。
自分が悪いのか?何で転んだのか分からない・・・転んだことでオートバイが破損してせっかくの練習の機会を無駄にすることもありました。
ある日タイムアタック前の5分間のウォームアップ中に納得の行かない転び方をしました。これがきっかけでプロダクションレース仕様のタイヤを使うことを決意しました。
プロダクションレース仕様のタイヤに替えてからは転びそうになっても転ばなくて「助かった~」という機会がとても増えました。
この差のためだけ考えてもプロダクションレース仕様のタイヤを使う意義はあると自分は考えていますね。