バレンティーノ・ロッシ自叙伝を読み終えて
バレンティーノ・ロッシ自叙伝を読み終えました。ページ数も多かったのですが一気に読むのが惜しくて、ゆっくりと噛みしめるように読みました。
もともとバレンティーノには興味があったので、以前に別の書籍を読んである程度の生い立ちは知っていました。
自叙伝の中に記載されている2002年後半以降のレースはほとんど見ていたので取り上げられているレースの話題など一緒に回想しているかのように思い出しながら楽しく読みました。
この自叙伝を読んでレベルは全然違うけれども同じオートバイを愛する者として多くのことを学びました。ライディングのこと、メンタルのこと、メディアのこと、イタリアのこと、その他色々なこと。
中でもいちばん面白かったのはホンダ時代に鈴鹿8時間耐久レースに出場したときのエピソードでした。思わず声を出して笑いながら読んでいました。
イタリア人の目から見た謙虚な日本人の印象などとても興味深く、レース終了後の打ち上げの一気飲みの話しなど、日本人である自分には手に取るように想像できるよくある宴会の状況でもイタリア人のバレンティーノには衝撃的な印象を与えたようです。
しかしこの出来事が翻訳されて世界中のロードレースファンに読まれているかと思うとちょっとどうかな・・・オーバートーク過ぎない?・・・と思いました。
自分も海外に行くとその習慣や文化の違いに驚くことはよくあります、そんな出来事を人に話すときは何故かオーバートークになりがちです。国際交流の魅力はそんな違いの発見もあると思いますので仕方がないかもしれませんね。
ライディングに関しては最初からこの本から何か収穫を得ることは期待していなかったのですが・・・想像以上の収穫がありました。
ライディングに付いて具体的にどうのこうのと書かれているわけではなく、文章の中にヒントが散りばめられているといった感じです。
なので読む人が自分のライディングに足りないものを模索している度合いによって受け止め方が変わるような深いものです。
自分は自走で二輪ジムカーナ大会に参戦することにこだわりを持って取り組んでいます。
そのためにオートバイのセットアップも自走を前提として行っています。大会での成果をもうワンランクアップさせたるためのバイクのセットアップを考えると自走を前提とした条件が厳しくなってしまうのです。
自分のバイクNSR250Rは2003年ジムカーナ大会にカンバック参戦し始めた時から現在までほとんど同じセットアップです。もちろんサスのセッティングは適時行っていますが・・・
大会での成績をアップさせるためにはバイクのセットアップ以外でアイディアーが必要なわけです。ライディング、メンタル、コース攻略などです。
この本を読んだことが直ぐに結果に結び付くほど単純なことではありませんが自分の励みになったことは確かです。
バレンティーノ・ロッシ自叙伝とこの本の発行に関わった全ての人に感謝します。