フロントブレーキの握り方
オートバイのスピートコントロールでもっとも肝心なのはフロントブレーキコントロールだと思います。
一般的にフロントブレーキのかけかたは親指以外の4本の指でブレーキレバーを握る「4本がけ」という方法を習うと思います。
教習所を卒業すると好きなようにレバーを握れますのでみなさん色々な握り方をしているのではないでしょうか。
4本がけをするとアクセルコントロールがやりずらいので普通は4本以下で握ることが多いかもしれませんね。
そして時が経つとその握り方が自分の握り方として定着します。少なくとも自分はそうでした。
街乗りからツーリング、ジムカーナやサーキット走行などすべてこの定着した1つの握り方で済ませるといった感じになりました。
この状態を逆に考えると1つの握り方しかできなくなっていると考えられます。
二輪ジムカーナ競技を始めると少しでも良い成績が欲しくなります。そのために色々な事を考えたり試したり記録を取ったりします。
その中でフロントブレーキの使い方を少し工夫するだけでタイムが大きく変化することに注目しました。
例えば60秒くらいの8の字練習で約0.5秒から0.6秒くらいの差が出ます。これは約1%の差です。
いろいろ考えたり実際に試した結果フロントブレーキの使い方を工夫するには握り方を見直すのがいちばん効果的と考えました。
でも身体は1つの握り方で慣れているので他の握り方に慣れるのは意外と大変なことなんです。自分も理想的な握り方に完全に対応できているわけではありません。
フロントブレーキの使い分けを意識するようになってからは走りの幅が確実に広がりました。最初はすこしためらいましたが。
フロントブレーキの握り方のレパートリーを何種類か持つことを全てのバイク乗りのみなさんにお勧めしますね。
走りも楽しくなりますし危険回避のマージンも増えると思います。握り方のレパートリーを考えるポイントはその状況で十分な制動力と微妙なコントロールができる方法を考えることでしょうか。
皆さんなりに色々考えて時間をかけて試すとよいと思います。その際にブレーキレバーの高さや位置も試してみてください。これだけでも大きくフィーリングが変わると思います。
レバーの高さは走行中にレバーを握った場合に手首が一番ラクな位置が良いと思います。
レバーの位置は握ったときに第二関節あたりにくるのが良いと思います。これは好みもあるのですがレバーが遠いと微妙なコントロールがしにくくなると思うので迷ったら近めが無難だと思います。
いままで続けてきた習慣に新しいものを増やすのですから最初は何を試しても上手くいかないように感じると思います。
ですから時間をかけてゆっくり試すのが良いと思います。ちょっと試してダメだとあきらめないようにしたいですね。
オートバイ操作は「フロントブレーキに始まりフロントブレーキに終わる」と言われるくらいです。
他人の走りを見ていると加速やバンクしている時よりもブレーキングしている時の方がライディングの特徴を見て取ることこができると思います。
最後に自分のレパートリーと使い分けを紹介します。この握り方は人それぞれだと思いますので皆さんは自分に合った握り方を探してみてください。レバーの角度とか位置も参考にしてみてください。
●人差し指1本
ジムカーナの低速セクション
峠の軽いブレーキング
街乗りのほとんどと渋滞中
●人差し指と中指の2本
ジムカーナの中速から高速セクション
ほとんどの峠のストレートからのブレーキング
渋滞のすり抜けで40km以上のスピード
●基本の4本がけ
サーキット走行
うるさそうな教官が見ている講習会
峠でトップスビードからのブレーキング
●人差し指以外の3本
ツーリングなど疲れてルーズに走りたいとき
この他に自分は使わないのですが中指一本という方法もあります。
おおざっぱな考え方として指の数が少なくなるほど微妙なコントロールが出来ると思います。
指の数が減るとレバーを握る力も減るので減速するスピードが大きい場合は指の数も増えると思います。
またレバーを離してからアクセルを開け始めるタイミングの取りやすさも考慮します。
この場合4本指が最も難しく指の数が少なくなるほどアクセル操作はやりやすくなると思います。