レコーディング工程の今と昔
CD制作を前提としたレコーディングの工程を大ざっぱに考えると下記のようになります。ジャケットなどの印刷物の工程もあるのですが音を仕上げるといったことに注目するとこんな感じになると思います。
プリプロダクション
レコーディングをする前に楽曲を仮の形で試聴できる程度に制作してみる作業です。デモ音源を作るようなイメージに近いですね。
レコーディング
実際に演奏をしたり歌ったりしてCDにするためのクオリティーで録音をします。
ミックスダウン
録音をしたものを最終的なイメージになるようにバランスを取ったり整音したりエフェクトなどの効果的な処理をします。
マスタリング
ブレスマスターを作る作業です。音的にはディスクプレスするための最後の音作りの工程になります。音圧を上げたり複数の楽曲のバランスをとったりします。
ディスクプレス
マスターディスクを元にCDプレスを行う工程です。音作り的には何も出来ないのですが、どこに発注するかで音が変わります。コストが優先される場合もありますが音的にプレス発注先を検討することもあります。
このような感じです。
この作業工程は今も昔も変わりはありません。でも大きく変わったと思うことがあります。
最近仕事をしていてふっ、と思ったことなのですが、昔は1つ1つの工程を確実に終わらせて次の工程に移っていました。作業的なこともあり前の工程に戻ることは大変な労力が掛かったのです。
ところが最近はコンピューターを多用することにより再現性の高い作業ができるようになってきました。
これにより簡単に前の工程に戻ることができるようになったのです。
その気になれば全てコンピュータの中で音楽制作の作業が完結することができるような状況になっています。
こうなると工程など関係なくいつでもその気になれば簡単に工程をさかのぼって音楽を修正することができるわけです。
たとえばマスタリング作業をしている時に急にコーラスを入れるアイディアーを思い付、その場でコーラスをレコーディングするといったことも可能なわけです。
スタジオやエンジニアがそこまで対応してくれるか?といった問題はありますが、少なくとも技術的にはそう言ったことが簡単にできるようになっています。
リミックスなどの楽曲が多く発表されているのはこのような背景も影響しているのではないかと思ったりしています。
コンピュータの普及ってほんとうに世の中を変えましたよね。