会社の設備について
会社の設備といえば真っ先にイメージするのはスタジオですね。
自分がこの仕事を始めたときに目標にしたのが自社スタジオの所有でした。
音響スタジオというとミキサーやモニタースピーカーといった機材が目玉になります。
さらに部屋で音を出すのが主目的ですから防音・遮音施工が必要になってきます。
これには主に床、壁、天井、窓、扉などを防音施工します。完成したスタジオから防音施工の程度を見極めるのは難しいのですが床や壁の内側は繊細で複雑な施工をしてあります。
そして内装部分で部屋の音場を調整します。たとえばスピーカー側の壁を吸音すると定位が良くなり反射にすると音圧が上がったりします。
目的は音作りや評価ですから音の違いが分かりやすい音場が使いやすいと思います。リスニングルーム的な心地よい音も魅力ですが違いが分かりにくいと音作りは難しくなりますね。
あまり知られていないと思うのですが音響スタジオで重要なのはアースです。
アースとは地面に電気を逃がすための配線です。この接地抵抗の値や接地線の太さで1種アースや3種アースと区分されています。
自社の設備では1種アースを接地しています。アース工事に立ち会ったのですが大きな銅板を地中深くに埋め込む工事を行います。
賃貸ビルでアースがしっかり取れていない環境のスタジオのなどは機材にノイズが発生したり苦労することもあります。
そのほか空調なども機密性が高いスタジオでは重要です。ロスナイと呼ばれる換気や空気清浄をするシステムも配慮する必要があります。
照明も蛍光灯はノイズが出るので使わない傾向があります。このように非常に細かく考察と検討をしてスタジオ設備は設計されます。
このように考えると音響関係は設備依存率が大きい業種なのかも知れませんね。