好きなことと仕事を考える
自分のような仕事をしていると別の職種の人から「好きなことを仕事にできていいですね」と言われることがあります。
またこのプロブロでも音楽が好きだから音響エンジニアを目指すといったコメントを頂くこともあります。
実は好きなことと仕事には言葉にするには難しい微妙な感覚のズレがあるように思います。
たとえ音楽が好きだったとしても好きな音楽の仕事ばかりできるわけではありません。
自分が内心やりたいと思っている事など現実にはほとんど出来ないのが実情ではないでしょうか?
自分はこの仕事が好きなことは確かです。しかし好きなことの延長線上に仕事があるわけはありません。
自分がこの仕事を続けてこられたのは「自分はこの仕事で能力を発揮できる」と思い続けてきたからのように思います。
この思いには根拠はなくただの思い込みのようなものと言ってもよいくらいです。
自分は19才くらいの頃オートバイの仕事に就くことを強く推薦された事があります。
オートバイは大好きでした。しかしそれを仕事にするのはちょっと違うと考えました。
なぜか子供の頃から自分には技術職志向があったように思います。
音響エンジニアの仕事をしていて初期の段階ではとにかく技術力重視の考え方をしていました。
15年くらい経験を積むとコミュニケーション重視の考え方に変化してゆきました。
自分の好きなこととは別に相手の要望を聞き取りそれを叶えることを重視します。
この時に相手の言葉を単純に真に受けずに相手のイメージを考慮して取り組むことの大切さも学びました。
仕事の現場では自分が好きかどうかという事よりも相手が満足するかどうかが重要になってきます。
これを顧客主義とかお客様第一主義などと言って国際社会では日本独特の考え方とされる場合もあるようです。
国際社会では日本人は人を大切にする国と思われている場合も珍しくないようです。
仕事を考える時に好きなことと自分の能力を仕事で発揮できるかを自問自答してみるのも良いのではないでしょうか?