山本泰裕さんの死
4月17日4時44分、末期がんと闘いながら昨年8月からアルバム制作をしていた山本泰裕さんが亡くなりました。52才と3ヶ月の一生でした。
3月31日にマスタリングを完了し、完成品を4月7日に山梨のプレス工場に受取りご自宅に届けました。
一般販売は5月25日予定ですが翌日の講演会から先行発売をするために出来たてのCDに一枚一枚サインをしている光景を思い出します。ついこのあいだのことです。
振り返ると24回くらいスタジオワークを共にしてきました。
数日前から5月25日の発売にむけてキャッチコピーやアーティストプロフィールの文章を考えています。
ディストリビューター(CDを店舗に流通する会社)からは闘病のことよりも音楽をアピールした方がいいと言われています。
生前のプロフィールやCDに掲載したプロフィールを何度も読み返しています。するとその時はあまり引っかからなかった文章が浸みてくるんです。
偶然ですが今マスタリングをしている名古屋のスワンリバーデージーの1曲目の恋についてという曲の歌い出しに
「失ってしまった物の意味が、何となく分かってきたような気がするんだよ~」
これは恋愛の歌ですが何か引っかかるというか浸みてきます。
子供の頃死ぬのが凄く恐かったことを思い出します。夜なんかに考えだすと寝られなくなってしまったり。
でもいつのまにか死ぬのが恐くなくなりました。不思議ですね。年を重ねるごとに覚悟ができてくるみたいです。
なんとなく、今でもどこかで山本さんに見つめられているような感じがします。
山本さんが残した言葉、生前の思い出、失った人の意味がすこしずつ分かってきたような気がします。