愛地球博の話し

2005年3月から9月まで愛知県名古屋で開催された国際万国博覧会「愛地球博」に行かれた方も多いと思います。

このことを書こうかなーと思っていたら、当時お世話になった方から嬉しいメールを頂きました。なぜか不思議な気持ちになりました。

一瞬書くのやめようかな・・・とも思ったのですが、せっかくですから・・・一般の方に向けてこの話しを少ししてみたいと思います。

わたしが担当したのは、長久手会場、愛知県館の「地球タイヘン大講演会」の舞台制御システムの設計と制御データと音響データの仕込みです。

公演の内容は白衣を着た博士が登場して地球温暖化を止めるべき説明をおもしろおかしくするものです。

その説明に合わせてスクリーンに映像が映し出されたり、舞台からアイスマンと言う大きな顔がせり上がってきたり、博士がワイヤーで空中に浮いたり、舞台後ろから滝のように水が流れたりと講演会という地味なイメージを裏切る派手な演出になっています。

通常このような公演は、舞台、照明、映像、音響の技術者がそれぞれ台本に沿って手動で操作をして行います。

今回はこの手動で行っていた操作を極力自動にしたいとの要望を受けシステム設計をしました。

ほとんどのプロフェッショナル機器は「タイムコード」と言う時間情報の信号で制御できるようになっています。自動化はこの「タイムコード」を使って行いました。

公演の流れは役者さんの言葉のタイミングで舞台、照明、映像、音響を操作することがほとんどです。

今回の公演は音響技術者がこの操作をしました。音響がタイムコードを発信して舞台、照明、映像はこれを受けて自動で動くというシステム構成なっています。

要するに音響技術者さんが役者さんのセリフやきっかけの合図を見てボタンを押すと音が出たり、舞台、照明、映像、が公演の進行に合わせて自動で動くってわけなんです。

どうですか?なんか凄いですよね。危険を伴う所は手動で確実に行いますが、このように舞台裏はけっこうハイテク?だったりするのですよ。

公演は全185日間で3349回一度も止めることなく無事終了しました。本当によかったですね。わたしの設計も良かったかもしれませんが、運営のスタッフの皆さんの力の結果ですよね。ほんとプロの力はすごいと思います。

仕事繋がりでここを見ている方もいらっしゃると思いますが、この場を借りて仕込みの時に協力してくださった皆さまにはお礼の気持ちで一杯です。

さらに運営関係者の皆様には事故なく全公演を無事終ったことに心から拍手を送りたいと思います。

写真は役者さんが初めて会場入りした舞台挨拶の時です。

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