排気量の違いとライディングの違い
バレンティーノ・ロッシ自叙伝から興味深い話題を考えてみたいと思います。
1999年にアプリリア250ccでチャンピオンを獲得したバレンティーノは2000年にホンダNSR500へとステップアップしました。
この年にバレンテーノは速かったけれども転倒も沢山して何かがおかしい、それはいったい何なんだろう、と考えたのです。
「ライディングスタイルを変えなきゃいけない時期にきているんだな」そう自問自答したそうです。
500ccではハイスピードでコーナーに突っ込み、できる限り強くブレーキングしなくてはならない。一方250ccでは、コーナー手前でブレーキングする。排気量が小さいこともあり、立ち上がって加速していくことを考えて、できるだけコーナリングスピードを維持する必要があるからだ。と自叙伝には記載されています。
この年多くの転倒を経験したバレンティーノはライディングスタイルを500ccに合わせるのにほぼ一年を費やしました。
自分はこの文章を読んで考えさせられました。以前125ccクラスとMotoGPクラスのレース映像を同時に再生してその走りの違いを観察したことがありました。
このとき一目見てわかる違いはコーナーに対してバイクを寝かし始めるポイントがMotoGPクラスの方が50cmから1mくらい手前でした。
なので小排気量のバイクの方が強いブレーキで突っ込んでいると考えていました。
バイクの挙動やフォームでライダーのしていることを憶測するのは簡単なことです。しかし実際にライダーが何を感じて何をしているかは意外と分からないものなのかもしれませんね。
自分の経験や知識をもとに他人のライディングを評価することはあてにならないものだと思いました。
ただ少なくとも排気量の違いとライディングの違いは何かありそうですね。
バレンティーノほどのライダーでも250ccから500ccにステップアップしてライディングを合わせるのにほぼ一年も掛かるのですからものすごく繊細なことのように思いますけどね・・・