音速の話し
みなさん音速ってどれくらいか覚えていますか?式で現すと
音速 c=331.5+0.6t(m/s) t=温度
となります。平均的な温度15℃では、およそ340m/秒というのが一般的ですね。式からわかるように温度が上がると音速も上がり温度が下がると音速も下がります。10℃の差で6m/秒も差がでるのです。
夜間に遠くの音が良く聞こえたりするのはじつはこの温度差による音速の影響が大きいのです。
日中は太陽が地面を暖めますので空気の温度は地面に近いところがいちばん高く地面から離れるにしたがってだんだん低くなります。
この状態の音は地面に近いと温度が高くスピードも早く、離れるにしたがって温度が低くなるのでスピードも遅くなるのです。この速度差によって音は温度が低くてスピードが遅い方、すなわち上空にカーブするのです。
夜は太陽で暖められた地面が急速に冷えて日中と温度差の関係が逆転するのです。そうすると日中は上空にカーブしていた音が今度は上空から地面に向かってカーブするようになるのです。
このようなことから日中は上空にカーブして聞こえなかった音が、夜になると地面に向かってカーブしてくるので聞こえるようになるのです。遠くを走っている車や電車の音とかうちでは波の音がよく聞こえるようになります。
野外コンサートを行うときは当然このようなことも計算に入れてスピーカーをセットアップします。
また身近なところでは雷が「ピカッ!」と光ってから音がするまでの時間から雷との距離を知ることができますよね。1秒だったら340m付近に雷がいるわけです。こわっ。
また自分に身近なバイクネタで例えるとMotoGPやジムカーナ競技でバイクの走っている姿をビデオで見ることが多いのですが、ここでもバイクの距離が340m離れると1秒音が遅れてくるということを頭にいれて鑑賞するとまたちがったおもしろさがありますよ。
仕事ネタですとスタジオの試聴ポイントから左右のスピーカーの距離がずれると左と右のスピーカーから届く音がずれるので正確な音を判断できなくなります。これを避けるために赤外線を使った0.1mm単位で距離を測れる装置を使ってスピーカーの距離を正確に合わせています。
人間が音の方向を聞き取るのはじつは左右の耳に届く音の違いを聞き取って判断しているのです。そんなこと意識したことなくても音の聞こえてくる方向が分かるのですから人間ってすごい!ですね。
ちなみに余談ですが、海中の音速は1500m/秒ととっても早いです。最近はほとんどやらなくなってしまったのですがスキューバータイビングで海底にいるときに離れた相手を呼ぶのに音を出したりするのですが、これが陸上の感覚とくらべると異常に近く音が聞こえます。