DVD5.1チャンネルMix
New York Symphonic EnsembleのDVD5.1チャンネル・ミックスダウン作業を紹介します。
DVDディスクには通常のCDと同じ2チャンネル・ステレオ音声のほかにDolbyDigital5.1chサラウンドという音声が入っている場合があります。メジャーな映画作品などは必ず入っていると思います。
これは、
左・中央・右・左後・右後
の5つのチャンネルと
低音
を0.1チャンネルとしてこれをたして5.1チャンネルと呼んでいるものです。自分の周りを5つのスピーカーに囲まれてさらにサブウーハーという低音専用のスピーカーが加えられたイメージです。
このようなサラウンド再生方式は映画館で行われているものですが。これを一般家庭でも体験できるように新たに開発された規格なんです。
ちなみにDVDにはオーディオとビデオと言う規格があります。皆さんが一般的にDVDと思っているのはDVDビデオ規格のことです。ディスクをよく見るとどこかにDVD Videoと表記してあると思います。
今回収録した音声トラックは32チャンネルです。この音声トラック全てを使うわけではありませんがこのトラックから5.1チャンネルサラウンド音声と従来の2チャンネル・ステレオ音声を同時に作ってしまいます。
作業行程は
映像と音声のタイミングを合わせる
5.1チャンネルと2チャンネルのミックスを作る
できあがったミックスをマスターテープに録音する
プレビュー(試聴する)
といった4行程くらいになります。
まず映像と音声のタイミングを合わせると言うのは編集が完了した映像に入っている「ガイド音声」の波形をとオリジナルマスター音声の波形を合わせるだけの簡単な作業になります。合わせるポイントが多いとそれなりに大変な作業になりますが、以前テープで作業している時は映像とオリジナルマスター音声を再生させて目と耳をつかって合わせていましたので勘と経験が物を言う作業でした。
ミックスを作るのは録音のときに使ったProTools HDシステムを再生して音声信号をオーディオミキサーと呼んでいる音を混ぜる機器を使って行います。こがいちばん時間のかかる作業でありますが、面白い作業でもあります。
マスターテープに録音するのは「トラックダウン」と言ってできあがった5.1チャンネルと2チャンネルのミックス音声信号の合計8チャンネルを納品用のマスターテープレコーダに録音する作業になります。
最後にマスターテープに確実に記録されているか試聴して問題がなければマスターテープの記録表などを作成して作業が完了します。
作業工程の中には書かなかったのですが、じつはノイズや演奏ミスなどの修正を行う場合もあります。これがいちばん大変だったりすることもあります。