Lexicon 224リバーブ導入
少し前になりますがスタジオにLexicon 224リバーブを導入したので記事にしてみたいと思います。
リバーブとは残響付加装置と言ってコンサートホールや部屋の響きを再現する機材です。
カラオケのエコーは山びこ現象を再現したものですが使い方のイメージとしては同じようなものです。
リバーブは音楽制作には欠かすことの出来ない機材の一つですがコンサートホールなどで響きも含めてレコーディングしてそのまま仕上げる場合などでは使わない時もあります。
一般的には響きの少ないスタジオで収録して仕上げる段階でイメージに合ったリバーブ効果を付加します。
この効果の分かりやすいものとしてボーカルやスネアードラムだと思います。
注意深く聞いていると音がとぎれた後に少し余韻のような音が聞こえると思います。これがリバーブの音です。
最近ではコンピュータの処理能力が高まりプラグインと呼ばれるソフト処理が主流になっています。
リバーブ効果をコンピュータで作り上げる場合は原音から放射された音が壁に反射されて聞こえる状態を畳み込みと言う計算を行い再現します。
実際の音場では無限に反射が起こっているのですがそれを計算で再現することは不可能なので計算スピードに応じて出来る範囲で計算するのが一般的です。
現在のようにコンピューターの処理能力が高くなかった時代はリアルタイムで処理するのが不可能でしたので高価な外部機器を使っていました。
Lexicon 224は1979年に発売された当時数百万したデジタルリバーブです。
CDの技術が発表されて市販されれたのが1982年頃ですから当時は先進の技術を投入した機材だったと思います。
外観は本体とコントローラー部分の2ピースに分かれています。
コントローラー部分は写真のような物です。黒いつまみのようなものを上げ下げして音質をコントロールすることができます。
全景はこんな感じです。
本体は4Uサイズのラックマウント筐体になっています。
フロントパネルを開けると基盤がこのように実装されています。
このような機材はプラグインと呼ばれるソフトでコンピューターの処理能力を使ってリアルタイム処理するものに対してアウトボードと呼ばれています。
自分は以前使った経験もあるのですが導入の機会にプラグインソフトの音質と比較視聴してみました。
単純に音質を表現するとスッキリとして綺麗な音のプラグインに対してLexicon 224の音質は暖かくマッタリとした印象を受けました。
原音とミックスして視聴してみると綺麗なプラグインの音質に対して目立たないけれども存在感があり音の隙間が気持ちよく埋まり太い印象を受けました。
1990年代に聞いたLexicon 224の音は少し粗雑な印象を受けたものですが今となってはプラグインソフトでは表現出来ない存在感のようなものを感じます。
このような古い機材をビンテージ機材と言ってファンもいたりします。骨董品みたいなものですかね(笑)。
いつの時代も新しいものばかりでなく古い物の価値も色あせないというか支持される理由が分かるような気がします。
次回の記事はバイク系で「無意識で行っている事は改善しにくい」をお送りします。お楽しみに♪