NL級 中嶋 ちはる選手のアドバイス
【対象:(ノービス→C2級)】
前回「NL級 中嶋 ちはる選手のビデオ分析」をお届けしましたが今回はどのようなポイントに注意して練習に取り組んだらよいのか考えてみます。
まず最初に思い付くのは中嶋 ちはる選手は女性であると言うことです。
女と男の違い性差は同じ言葉や同じ物を見ても脳の働いている部分が違うことが科学的に証明されています。
二輪ジムカーナ競技においても男性の成功するヒントは女性には当てはまらないといったことを聞くことがあります。
ちょっとしたことで心拍数が大きく変化する男に対して女性の心拍数は大きく変化しないそうです。
男はがむしゃらに走ることで結果を高める場合もありますが女性にはあてはまらないような気がします。
ライディングに対して女性は男よりも冷静に取り組めることは雨の日に大きく表れると思います。
晴れの日にくらべ大きくタイムを落とす男に対して女性は比較的タイムが安定していたりします。
自分が今まで見てきた女性の成功事例は「アクセルがば開け系」よりも「鬼バンク系」に多いような気がします。
ライディングに悩む女性に「男の言うことは聞くな」と言っている自分も偉そうなことは言えないのですが。
バイクが寝ていない系の中嶋 ちはる選手がこのままの走りをしていても明るい未来は遠い先のような気がします。
成績が落ち込んでもバンクを出せるように練習に取り組むことが明るい将来の確かな道だと思います。
参考になるか分かりませんが自分がC2時代にバンクを出せるように行っていた8の字練習を紹介します。
まず10m間隔にパイロンを置きます。そしてパイロンの進入側にチョークで50cm間隔で4mまでマーキングします。
これを8の字練習するのですが3mから4mの間をフロントタイヤが通過するように進入します。
自分はこれをアプローチと呼んでいます。この時にバイクの傾きを意識します。その他のことは何も意識しなくて良いと思います。
オートバイが傾くと前輪の通る軌跡と車体の通る軌跡に差が出来ます。NSR250Rの場合フルバンクでおよそ1mといったところでしょうか。
アプローチからバンクしながらバイロンに近づいていきます。このときパイロンから目測で自分のフロントタイヤが通るポイントを路面上で探しそこにオートバイを導きます。
とりあえず意識するのはこれくらいで大丈夫だと思います。まとめると
3mから4mのアプローチを意識する。
アプローチのときのバンク角を意識する。
アプローチからパイロンに近づく目標を意識する。
以上の3点です。これをひたすら反復練習します。おそらく一番難しいのはアプローチからバイロンに近づくことだと思います。
自分は目線でバイクを導くように意識しています。
ちなみにアプローチのバンク角を保ったままバイロンに近づくと同心円ラインを描きます。
アプローチから徐々にバンク角を深くしてゆくと放物線ラインを描きます。
実戦ではどちらも使うテクニックですから端から見てその違いが分からなくても自分の中でしっかり使い分けを意識しておくと良いと思います。
練習は恐くないペースで行った方が良いと思います。怖がっていると感覚が身につきにくいと思いますので。
アプローチ3mの場合の図も書いてみました。アプローチの時の車体の角度が違ってくると思います。
ちなみに自分のベストアプローチは2.5mです。ここまで出来るようになるのに1ヶ月平均1000回くらい8の字練習しておよそ4年くらい掛かりました。
自分がこの練習を始めたC2時代は8の字の中心からスタートして10周するまでのタイムが60秒前後でした。
現在は53秒台で条件が良い時には52秒の後半のタイムになります。
速く走るだけが練習ではないのですが上達の目安に毎回必ずタイム計測をしています。
いまでも大会で完璧に決めるのは容易なことではありません。
練習の成果には個人差があると思いますがそれくらい時間のかかるものと思って粘り強く練習に励んでください。ご健闘をお祈りします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。次回は「C1級 中嶋 秀和選手のビデオ分析」を予定しています。お楽しみに。