NL級 中嶋 ちはる選手のビデオ分析
【対象:(ノービス→C2級)】
今回は本人の許可を得てモトビトDVD「2008年度DUNLOP・月刊オートバイカップ!ジムカーナ大会JAPAN」の映像からNL級 中嶋 ちはる選手のビデオ分析をお届けします。
一般的にビデオ分析をする場合にはトップ選手の映像を見ることが多いと思います。
自分は経験の浅い選手の映像から自分の走りを改善するヒントを得る機会が多かったりします。
トップ選手は難易度の高いことをさらりとこなしているので分かり難いんですよね。
現在NL級で活躍中の中嶋 ちはるさんは中部地区の選手です。自分が中部地区の練習会に参加したときに知り合いました。
今回のモトビトDVDを見てまず最初に受けた印象は走りが堅いということです。
1ヒート目よりも2ヒート目の方が走りの堅さが見て取れました。
もしかしたらあまり車輌になれていないのかも知れませんね。車輌はNSR250Rです。
限られた映像から受ける印象ですがどちらかというとバイクが寝ていないタイプの傾向が見て取れました。
そして立ち上がりよりも突っ込みを重視した走り方のように見られます。
これは1ヒート目のゴール直前の回転セクションに突っ込む時によく表れています。
車体を寝かさずにフロントブレーキを奥まで握り続けてからバイクを寝かし始めています。
イメージとしては最初に緩く制動を始め次第に強く制動をしてゆきバイクを寝かす直前まで我慢するといった感じです。
このようなブレーキングはトレイン走行で前方の車両に追いつく時には有効です。
単独で走る二輪ジムカーナ大会では1ヒート目から2ヒート目でタイムを短縮するのが難しい走りの傾向があると思います。
また同じ映像の回転前のスラロームでバイクのバンク角が浅いのが見て取れます。
これはバイクを寝かし始めるポイントを奥にとっているか寝かし始めるのが遅れてしまっているように見えます。
バイロンに対してもっと手前からバイクを寝かし始めるとパイロンに一番近づいたときにもっとオートバイが寝た状態になり平均スピードが稼げると思います。
中嶋 ちはる選手の走りを自分流の言葉で表現すると「決めの走り系」になります。
練習を通して習得してきた自分の感覚で寝かし込みや切り返を「ここまで!」と決まったところまで一気に操作するようなイメージです。
そのライディングは端から見ると勇ましく見えると思います。しかし自分の決めを超えた走るをするのが難しい側面もあると思います。
このことから二輪ジムカーナ競技では1ヒート目から2ヒート目のタイムアップが難しい走りとも言えると思います。
それではこのようなタイプの選手はどのようなところに注意して練習をしたら良いのでしょうか?
このテーマは長くなりますので次回にお送りしたいと思います。お楽しみに。