タイヤの空気圧変化の実験

今までサスペンションの話しをしてきましたが、タイヤの空気圧もオートバイに乗っているフィーリングを大きく左右します。

オートーバイに乗って走り出すと刻々とこの空気圧が変化しているのを知っていますか?

またタイヤの表面の温度も走行状況に応じで刻々と変わっています。

この記事を書くために先日実際に空気圧とタイヤ温度の変化を調べてみました。

タイヤ温度は赤外線で非接触で測れる写真のような物を使いセンター部とサイド部を測りました。

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●茅ヶ崎の自宅前 天候くもり

路面温度 27.0℃
フロントタイヤ
センター温度 26.0℃
サイド温度 26.0℃
空気圧 2.10kg
リアタイヤ
センター温度 26.0℃
サイド温度 26.0℃
空気圧 2.25kg

●西湘バイパス西湘PA(約20km走行)

路面温度 33.4℃ +6.4
フロントタイヤ
センター温度 40.6℃ +14.6
サイド温度 33.0℃ +7.0
空気圧 2.20kg +0.10kg
リアタイヤ
センター温度 41.8℃ +15.8
サイド温度 34.0℃ +8.0
空気圧 2.40kg +0.15kg

●箱根新道中腹のPA(約10km走行)

路面温度 33.2℃ +6.2
フロントタイヤ
センター温度 38.6℃ +12.6
サイド温度 32.1℃ +6.1
空気圧 2.25kg +0.15kg
リアタイヤ
センター温度 43.6℃ +17.6
サイド温度 35.9℃ +9.9
空気圧 2.45kg +0.20kg

●8の字20回(約0.6km走行)

路面温度 25.0℃ -2.0
フロントタイヤ
センター温度 33.1℃ +7.1
サイド温度 36.8℃ +10.8
空気圧 2.25kg +0.15kg
リアタイヤ
センター温度 37.1℃ +11.1
サイド温度 46.8℃ +20.8
空気圧 2.50kg +0.25kg

いかがですか?最初に走行前の自宅で測ったのが「冷感」と言ってメーカー標準空気圧はこの状態の空気圧のことを指します。この時タイヤ温度はセンターもサイドも同じ温度です。

次の西湘バイパスまでは海岸線の道路でPA到着寸前では時速80kmくらいで走行していました。この状態の空気圧を「温感」と言います。

走り出す前の「冷感」と比べると 0.1から0.15kgも高くなっていますね。タイヤ温度は常時路面と接地しているセンターの方がサイドより高くなっています。

しばらく休憩したあと箱根新道に向かいます。箱根新道の走行ペースは車と同じで走りました。中腹のPAで測定すると西湘PAよりさらに0.5kg空気圧が高くなっています。これはおそらく気圧の影響だと思います。

タイヤ温度は急な上り坂の影響だと思うのですがフロントタイヤよりリアタイヤの方が高くなっていますね。

そしてちょっと実験のために10mの8の字でハンドルロックをしないルーズな感じの走り10回を2セット走行してみました。日が陰り路面温度が一気に下がりました。走り終わった時の路面温度です。

リアタイヤの空気圧がさらに0.5kg上がってタイヤ温度はセンターよりもサイドの温度が高くなりました。

おそらく5m程度のタイトな8の字をするとフロントタイヤの方が温度も空気圧も高くなると思います。

ちなみにサーキット走行などをするとタイヤの温度はもっと高くなります。たぶん60℃以上

このようにタイヤの空気圧が上がる原因は空気の分子が活発に動き膨張したことによって起こります。これを一般的に「内圧が上がる」と言います。

わたしはタイヤの専門家ではないので詳しいことは分かりませんが、タイヤの内圧が上がる要因として考えられるのは、

●タイヤが圧縮されるため

小学校程度の知識ですが、実験用のプラスチック注射器の出口を手でふさいで注射器をグイグイ押し込んで中の空気を圧縮すると注射器が暖かくなるのを憶えていますか?激しくやると結構暖かくなるのです。

●タイヤの表面が摩擦で暖められるため

これは消しゴムで強く紙を擦ると消しゴムの紙と接している部分が暖かくなるのと同じですよね。

●気圧の変化のため

スナック菓子など密閉された袋などが山に登るとパンパンに膨れるのと同じイメージです。

と考えています。ですからタイヤを意識的に暖めようを思ったら急加速、急ブレーキをしてタイヤを圧縮させたり左右にローリングしてタイヤの表面を摩擦で暖めたりすると効果的だと思います。

このような姿はレースのスタート前によく見ることができますよね。

タイヤ空気圧は0.2kg違うとはっきり体感できるくらいの差を感じ取ることができます。

意外なのですがリアタイヤの空気圧は浅いバンクのハンドリングに影響をすることが経験的にいえます。

フロントタイヤの空気圧は深くバンクしたとににその差を感じ取ることができます。

メーカー標準の空気圧は一般走行を前提としてこのような空気圧の変化も考慮した無難な値になっています。

しかし山道を軽快に走ったり、二輪講習会などでコースルラローム走行をする場合は一般走行より内圧が上がります。

また冬場も冷感と温感の温度差が広がるので予想以上に温感の空気圧が高くなっている場合があります。

自分の場合は冷感時の標準空気圧2.25kgが温感で3.00kgなんてこともざらにありますよ。

空気圧が高くなるとハンドリングは軽くなるのですが、ギャップで跳ねたりタイヤの接地感が薄くなります。

二輪ジムカーナの練習で空気圧を変えるとフィーリングはもちろんタイムにも大きく影響します。

山道や二輪講習会などで積極的に走りを楽しもうと思う方はぜひタイヤ空気圧を温感で調整されることをお勧めします。

そうした方が状況による変化を気にすることなく確実に最適な空気圧に合わせられるからです。

温感空気圧の場合は自分のフィーリングで好きな値にすれば良いと思います。

よく分からないという方は目安としてメーカー標準空気圧+0.15kg位から試してみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

東 春平代表取締役 / 音響エンジニア
音響と音楽で皆さんの役に立つことを考えています。

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