CDマスタリング

CDショップで販売されているCDはプレス成形により大量生産されたものなのはご存じでしょうか?CDマスタリングとはこの元になる音(マスター音源)を作る作業のことです。

数年前までは業務用のビデオテープにマスター音源を書き込んでいましたが、最近はCD−Rに書き込んで、これをマスター音源とすることが主流になっています。

CDマスタリングの主な作業は、

整音(音、音質を整える)
曲順と曲間を決める
PQの打ち込み(トラックナンバー情報を書き込む)
マスター音源とPQシートを作成

といった感じになります。作業の形態は「立ち会い」と「お任せ」に分かれます。今、行っているCDマスタリングは、「お任せ」で2002年から当方にマスタリングを継続的に依頼されているアーティスト川元 清史さんです。

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今回は15曲のフルアルバムです。CDマスタリングの一番のポイントは整音作業です。オリジナルマスターはDATとCD−Rを送付頂きました。音質が優れているのはDATの方なので、こちらを元に曲を取り込みます。

そして取り込まれた音を、添付の希望事項などを考えながら整音してゆきます。参考に作業中のスクリーンショットを掲載します。緑色の波形がオリジナルDATのものです。その下の赤い波形がマスタリング後の波形です。

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オリジナルDATの波形は山谷(音の大小)がありますがマスタリング後の波形は均一にほぼ目一杯になっているのが分かると思います。

わたしのCDマスタリングスタイルはオリジナル音源にEQをかけずに行ないます。EQを多用するとかならず薬の副作用のようにオリジナル音源そのものを劣化させてしまうからです。

手法はケースバイケースですが今回はオリジナル音源をミキサーに分岐して立ち上げます。そしてオリジナル音源に不足していると思う部分を分岐した音源にEQをかけて作ります。今回はボーカル用と中低域のパンチを出す用を作りました。これを曲に合わせて最適なバランスで混ぜ合わせます。また曲の流れで必要に応じてフェーダーコントロールします。

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CDマスタリングに限ったことではないのですが、音楽は繰り返し聞かれるものであるということをいつも意識して音作りをしています。立ち会いマスタリングの場合は限られた時間の中で最善の結果を出す努力をしますが、お任せの場合は一気に仕上げずに、繰り返し聞き返しながら少し時間をかけて音を決めることもあります。

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